プロへの道のり 1年目 新入社員研修体験記

プロへの道は一年にしてならず。でも一年前とは確実に違う自分がいる。

エムイーシーテクノの新人にとって1年は長い。まずは手厚い新人研修でプロになるための基礎を叩き込まれ、その後のOJTでは指導者との彼我の差に気づかされる。ここでは2015年入社の石本佳和を中心に、同期二人を交えてこの1年の成長ぶりを紹介する。

  • 岩上 竜也

    四国事業所 機械工事2グループ
    2015年入社/生産工学部 機械工学科卒

    バスケットボールや野球観戦が大好きなスポーツマン。休日は買い物や昼寝などで、のんびりと過ごすことも多い。

  • 石本 佳和

    四国事業所 機械工事2グループ
    2015年入社/工学部 機械創造工学科卒

    趣味は囲碁に散歩と物静かな面を持つ一方で、テニスやスポーツジムのスタジオプログラムなども積極的に楽しんでいる。

  • 内田 将平

    四国事業所 機械工事1グループ
    2015年入社/工学部 機械工学科卒

    休日は音楽鑑賞や漫画、ネットサーフィンで思い思いに過ごすことが多いが、テニスが好きというアクティブな一面も。

あれ、製図ってこんなに難しかったっけ!?

2015年4月、30名におよぶ新入社員が、東京日本橋にあるエムイーシーテクノの本社で、新入社員研修を受けていた。ここで、これから働く自分たちの会社について詳しく知る座学の講義ビジネスマナーの講習が10日間亘って実施される。これはまだ序の口。その後、配属先に別れ、本格的な研修がスタートする。

石本、岩上、内田らは、機械工事スタッフを目指す新人のグループ。彼らを含め総勢11名が北九州市の九州事業所に集まった。ここで約8カ月かけて、本配属後に求められるさまざまな知識や技術を習得していく。彼らが本配属後に担うのは、現場の工事計画や施工管理。そこで求められる基本的なスキルとして製図がある。もちろん、新入社員研修のプログラムのなかでも重要な位置づけを担う。

まずは設計図のトレース。各自に実際のプラントの図面を手本にして、CADで図面の内容を写す課題が与えられた。しかし、彼らとてまったくの素人ではない。全員が機械系の大学を卒業しており、CADによる製図の基本知識をもっている。ところが、授業で習う製図と、実務としての製図はかなり違う点に石本を含め全員が認識を改めることになる。何が違うといえば、まず大きさが挙げられる。実際のプラントをもとにした設計図面であるため、彼らはこれまで見たことのないスケールのものだった。さらに使われている設備機器も非常に多く、種類も多様である。眺めているだけでは頭には入ってこない。まずはトレースを繰り返すことが求められる。

「3ヶ月近くかけ、苦労してトレースした6枚の図面でしたが、講師の先生から抜け漏れや図枠のセンターに描かれていないことや文字の大きさの不適切さを指摘されました。先生からは“いろんな人が見るんだから、相手のことを考えて、誰が見ても分かりやすい図面を心がけてほしい”との論評。まさに撃沈でした」

石本の名誉のために付け加えると、岩上も内田も、他の全員も、石本と同じようなレベルだったそうである。

作業者の技術はこんなにも凄いんだ!

そして迎えた8月。製図研修が終わり、いよいよ施工実習がスタート。溶接、仕上、据付、機械加工の4つの実務を、11人がローテーションを組んで一つ一つ学んでいく。彼らは現場では監督という立場になるので、配属後に自ら施工作業を行うことは基本的にはない。だが、作業指示をするためには、実際その作業がどのようなものかを知っておく必要がある。作業の内容、内容ごとの作業時間はどの程度か、どんな作業が難しいのか、そして安全には何に気をつけるべきか……。それにはまず実際に体験することが必要なのである。

「現場の作業者の感覚は、自分で作業をしてみないと分からないものだと思いました。溶接や仕上など、集中して行うと、時間があっという間に過ぎてしまうのです。暑い日は適切に休憩して水分を摂らないと、熱中症にもなりかねません」

石本は現場の作業感覚を知ることが、安全管理には大切だということ痛感した。また、作業員が何にやりがいを、何に困難さを感じているのか、肌感覚でつかんだことも大きいようだ。石本によれば、アーク溶接やTIG溶接、旋盤やボール盤、フライス盤での加工作業ではモノづくりの楽しさを感じ、雨の降る中の高所での据付作業では安全管理の大切さを、身を持って感じた。

もちろん、研修で習得できるスキルは、現場の作業員のレベルには到底及ばない。例えば、仕上研修で鉄板に平行な面をつくる“きさげ加工”という作業では、1/100ミリの精度をつくるのに四苦八苦した。平面にする作業をしているはずなのに、磨けば磨くほど、どんどん平行度が悪くなっていく。本職は1/1000の精度で仕上げると聞いて、その場の全員が絶句したそうだ。

この頃になると、11人は完全に打ち解け、お互いに協力し合い、研修の復習として教え合うことも自然にするようになっていた。九州の独身寮は個室でプライベート空間は確保される。それでも毎日の夕食時には食堂で全員が顔を合わせ話に花を咲かせた。休日もスポーツをしたり買い物に出かけたり、11人で行動することも少なかった。

同期の存在が大きな力になる

9月になり、また設計研修がスタートした。今度は求められるレベルがぐぐっと上がり、実物のプラントを間近でスケッチし、それを元にCADでスプール図、立面図、平面図、全体構成図を仕上げるテーマが課せられた。スプール図とは、立体的に詳細に配管を描いた図で、特に仕上げるのが難しい。研修ではなく本番の仕事の場合、この図にバルブやノズルの記載漏れが1個としてあってはならない。だから研修といえども、書き上げては現場に戻って照らし合わせを行い、何度もやり直しをかけた。

こうして最終提出物を仕上げると、いよいよ九州での新人研修のクライマックスである、研修報告会を迎えることになる。石本たちにとって忘れもしない11月20日がその日だった。

11人がそれぞれ発表する内容は、研修における各人の目標と成果について。一人あたり15分の持ち時間。九州事業所の諸先輩に加え本社の人事総務担当たち約50名の前で、パワーポイントのスライドを映しながら行われた。新人たちも仲間の発表を見守る。石本は、発表を見ながら研修を振り返り、そこに同期としての競争心以上に、仲間の絆を強く感じたと言う。

「一人一人、それぞれの研修で、何を学び、どう感じたのかについて、人それぞれ見方が大きく違うことに驚きました。同じことを学んでいるのに、彼はあの時にこんなことを考えていたんだなあ……と知り、自分自身で改めて気付くこともありました。これからプロを目指して頑張っていく上で、その基礎となることを学んだわけですが、どちらかと言えば何が出来ないかを学べたことが大きかったように思います。これからやるべきことが沢山ありますね」

発表会を終え、石本たち11人は水島事業所に研修の場所を移した。そこで最後の実習を済ませ、1月からはそれぞれが配属先の事業所に異動となる。石本、岩上、内田の3名は四国事業所に配属された。同じ事業所にいるが3名だが日中に顔を合わせることはあまりない。なぜなら今受けている研修は、一人一人に専任の教育担当が付き、実務をこなしながらその場で指導を受けるOJT研修だからだ。プロとして仕事を行う第一歩を今歩み始めた。

これからは、横を見ても同期はいない。だが、自分以外の10人の仲間がそれぞれの持ち場で頑張っていることを想像するだけで、何故だか大きな力が沸き起こってくるのを、石本は感じるのだった。

研修を振り返って

九州と水島の研修では、自分の土台となる基礎を幅広く学べました。講師の先生方は優しく丁寧で、中身の濃い研修になったと感謝しています。自分でも少しは成長できたのかなと思いましたが、OJTに入り、ベテランの指導担当の先輩の仕事ぶりを見るにつけ、スキルの格差に愕然としました。作業員全員それぞれの特徴を捉え、得意・不得意を把握し、個々に最適な指示を出しているのです。まだまだ学ぶことがたくさんあります。

OJT指導担当として、実務を進めながら施工管理の業務全般を教えています。この仕事は何よりもやる気が重要ですが、その点では石本くんは合格ですね。とにかくよく質問してくる。今はまだ基本的な質問内容が多いですが、それでも良いと思います。また、自分で調べ物もしてきます。現場に出ても作業員たちとよく話をしていますよ。そんな彼ですから、どこまで成長するか楽しみです。じつは石本君は息子と同い年なんです。出来る限りのことはしてあげたいですね。

PAGE TOP
PAGE TOP